株式会社ホーリーツリー代表
山中シゲノブです。
パリにあるシャンゼリゼ通りは大渋滞。
プロレスラーのような運転手もイライラ。
やっと少しだけ進んだところで凱旋門の前、
中国からの観光客の一団が凱旋門を背に写真を撮りまくっている。
横断歩道の途中に立って撮るのが一番美しい。
車の方の信号が青になっても動かない。
アクセルを踏もうにも邪魔で進まない。
流石にイラッときた運転手が、窓を開けて悪態をついた。
フランス語で「どけっ!」とか「失せろ!」とかそんなニュアンス。
その発音が日本人には「アロー」と聞こえた。
怒鳴られた中年男性もアジア人。
この男性もきっと「アロー」と聞こえたんだろう。
次の瞬間、なんとこの人が運転手に向かって「ハロー!」と手を振り返してくる。
その表情がなんとも楽しげなこと。
「ハロー」と声をかけられ、プロレスラーのような運転手も苦笑い。
やはりせっかくの人生、結局楽しんでるもの勝ちなんですね。
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船に乗っても、もう波が出やしないか、嵐になりゃしないか、それとも、この船が沈没しやしないかと、船のことばかり考えていたら、船旅の愉快さは何もなかろうじゃないか。人生もまたしかりだよ。
中村天風