人間関係は備長炭のように丁寧に優しく創りあげる理由

株式会社ホーリーツリー代表
山中シゲノブです。

 

 

「人間関係」の距離感がわからない、、、

ようは直ぐに仲良くなろうとしてしまったり、相手が心を許していないのにズカズカ入り込んでしまうことです。

起業当初の僕です、、、(笑)

そして、今なら言えることができたので改めて感じたことをブログに綴ろうかと思いました。

もともと、1人が好きで、そんなに人と関わりたくない性格なのに、なぜ「人間関係」の距離感がわからないくらい人と繋がろうとしたのでしょうか。

 

 

実は答えは1つなのです。

人と繋がると仕事が来ると勘違いしていた

からです。

なんとも、恥ずかしい話ですが、沢山の人と繋がれば、何かしらのキッカケで仕事が舞い込んでくると本気で信じていました。

そして結果は自分で自分を苦しめることになりました。

誰とでも繋がれるほど、そんな高スペックな「マインド」はなく、結局は自分で自分を演じてしまう、、、

知り合いが多いだけ

薄い関係を量産していくようなものです。

 

 

そして、今の僕が昔の僕に伝えたいことは

そんな一度にたくさんの人と友達になって何が生まれる?
何がしたいんだ、、
それより、目の前のたった1人の友人と深く向き合え!!!

 

かな、、、ちょっと厳しいけれどね^^

 

人間関係は備長炭のように丁寧に優しく創りあげる

人間関係は時間をかけてゆっくり創り上げていくもの。

そしてそれは自然に生まれるご縁の流れに身を任せていけばいいじゃないですか。

自分から無理に生み出さなくてもいいはずです。

必ず必要なご縁は神様が用意してくれるものなのです。

 

 

あの素晴らしい「備長炭」は創り上げていく行程からすごく繊細に時間をかけているものです。

 

 紀州備長炭を作るには様々な工程を経て、硬質の白炭になります。
何週間もかけてやっとのことで出来る。それが備長炭です。
作業、工程など詳しく説明いたします。1、原木の確保
紀州備長炭を作る中で最も重要なのが、原木の確保。どんな木でも紀州備長炭になる訳ではありません。(馬目樫)この原木が無いと備長炭は生まれません。
山主から製炭者(以下炭焼き)は一つの山に馬目樫がどの位木が有るのかを山に入り見当をつけ値段を決めます。商談成立をしたからといって直ぐに木を切ることはできません。
所在する町役場に、伐採許可を提出し認可を受けてから(約3ヶ月)伐採することを許されます。

2、伐採
馬目樫の伐採です。馬目樫が生えているからといって全てを切る訳にはいきません。今後のため、これからの炭焼きのため、細い木はあえて切らずにおいておきます。なぜなら一度切った馬目樫は40年の年月を経たない限り備長炭になる原木の太さに成長しないからです。昔は斧・鋸などで切っていた為、一つの山に掛ける日にちが掛かっていました。しかし現在ではチェーンソーを使うのであっという間に木が無くなります。後世のためにも細い木はあえて切らずにいます。
チェーンソーを使って一日7俵木(15キロケース7個分約1トン)を切ります。(阪本氏は現在でも一日10俵木約1.4トンを切ります)この作業を3~4日掛け行います。釜の大きさにあわせて目見当で長さを測り切ります。

3、集材
馬目樫を3~4日掛け切ったあとは、山から釜に持ち出す作業です。かなりの肉体労働になります。通常は切った馬目樫(約1メーター60センチ)を麓まで投げて出してきます。ただ山の谷間や平面では投げることは容易ではありません。そこで現在ではモノレールなどを使ったりしますが、阪本氏は昔ながらの木馬道(きんまみち)を使います。ブレーキも何もない木製のソリに馬目樫を乗せ手作りのソリ道を滑らせて釜まで運びます。危険を伴い炭焼きの中でも木馬道を利用する人はあまりいません。また山から山へ木を送り出す際には、ワイヤーを使い集材機を使います。阪本さんは集材機も自分で作ります。草刈機のエンジンを使用して作ります。いわゆる野猿というものです。この工程が2~3日掛かります。

4、馬目樫を成形する
やっとのことで釜にたどり着いた馬目樫は、このまま釜に入るのではありません。一本一本曲がっているので真っ直ぐにする作業と・太い木を割る作業・束木を作る作業があります。
真っ直ぐにする作業は馬目樫の曲がったところに切り目を入れコミと呼ぶ三角形にした木を切り目にはめ込み真っ直ぐに伸ばします。太い木はたいていの炭焼きさんは薪割り木で割りますが、阪本さんのこだわりがそこにはあります。撒き割り木で割ると見た目、炭の締まりが悪いので、一本一本チェーンソーで半分にします。手がしびれ大変な重労働です。そして細い木は何本かを束ねて(釜に入れる際に少しでも楽なように)いきます。この工程が2~3日掛かります。

5、釜入れ
4の工程で出来た木を釜の中に入れます。通常は釜だし(以下で記載)の翌日に行います。前日に釜出しをしているのでまだ熱気が残っておりその作業で1キロほど体重が減ってしまいます。束ねた細木から奥へ入れていきます。理由は細い木は燃えやすいので口焚き(以下で記載)のときに燃えてしまうので奥に入れます。束木を入れ終わり一本一本釜の中に入れていきます。釜の8分くらいまで入れるとそこからは馬目樫を入れずに雑木をいれます。理由は、口焚きの際に燃えてしまうからです。雑木を入れたら釜の口を閉じる作業になります。素灰(土と灰の混ざったもの)に水を混ぜ粘土状にしていきます。釜の地面から中間部分にレンガを積み重ねます。積み重ねる際の繋ぎとして利用します。一列レンガを積めば、素灰を乗せその上にまた一列レンガを乗せていきます。こうして上部を閉じます。この工程に1日を費やします。下は口焚きの際に使う小釜といいます。この状態から小釜で口焚きをします。口焚きというのは、小釜で雑木を燃やし釜の中を十分熱するため、馬目の水分をゆっくりまんべんなく抜く為に行います。口焚きは4~6日掛け行います。口焚きの最中に2の工程に入ります。

6、馬目樫に火がつく
実際に目視できませんが炭焼きさんは経験と勘で十分に馬目樫の水分が抜け炭化しだした状態を見分けます。煙・匂いを体感し小釜を閉じわずかな空気穴を作り蒸し焼き状態にします。これを炭焼きさんは、窯に火がついたといいます。中の木の上部殻燃え出します。煙が多すぎると燃え上がってしまい備長炭にはなりません。また、煙が少なすぎると消えてしまいもう一度口焚きをします。これを2度付けといいます。2度付けの際一度燃えたところは見た目も悪く硬くなりません。4~5日空気を調整しながらじっくりと下まで火を下ろしていきます。

7、あらし(ねらし)釜出し
火が十分に降りると煙がなくなり釜出しの合図です。しかしそこで空気を急に入れてしまうと炭は固まらず、ボロボロになります。丸一日かけて(一睡も出来ませ)小釜を開けていきます。ゆっくりと酸素を取り入れた釜の中は黄金色に光りだします。いよいよ釜出しの合図です。
釜出しは1400℃を超えます。赤く燃えている釜の中の木はまだ出せません。金色に光った馬目樫だけを出します。釜の口に出して十分に空気を当てて釜から出します。一度に出せる量はほんの少しです。釜から出した備長炭は素灰をかけ消火します。これを約8~10時間かけて行います。
あらし釜出しは寝ずに34時間以上労働を行います。 翌日5の工程に戻ります。

8、選別・箱詰め

炭焼きさんにとって一番ゆっくり出来る日です。素灰から備長炭を取り出し選別作業に入ります。
ゆっくり出来る日でも気を抜くことが出来ません。なぜならここで炭焼きさんの本質が問われる時なのです。質の良いもの、悪いものを選別します。そして品柄にあった備長炭を箱詰めします。ここで手を抜くと問屋やお客様からのクレームにつながり、炭焼きとして仕事が出来なくなります。慎重に一本一本見分けていき、品質を揃えます。そして商品が出来上がります。

一連の作業を一人で出来るまでに約3年の修行が必要です。阪本さんのところには炭焼きの弟子にしてほしいと年に何名かこられます。しかし阪本さんは言います。
「普通の人間には出来ん仕事やよ。人の3倍やって一人前しか出来ん。そんな苦労をして、本当の炭焼きになれるのは、わずか。まして原木もなくなってきている。楽に見えてるかも知れんけど、炭焼きは誰にも勧められん。わしも若いときは嫌で嫌で仕方がなかった。でもこの仕事しかなかったから今までやってきた。今の人に出来る仕事じゃないよ。年中休みのない仕事。どれだけ勉強が出来ようが炭焼きに必要なのは、素早さ・勘の良さ・手先の器用さ。何一つかけても出来ん。計算では出来ん仕事。ゆっくりしてたら釜は待ってくれん。釜と一緒にうごかなあかんのや。釜に休みはない。親が死んでも死に目にも会えないそんな仕事や。もう一度考えて、よっぽどの根性無いとむりやから」と、寂しげに語っていた。
参考:紀州備長炭が出来るまで

 

 

人間関係もかくありたいものです。

魔法のような言葉で瞬間に作りだすご縁ほど「脆くて薄い」ものはありません。

本当に素晴らしい人間関係はお互いに話した内容を何十年先も無意識に覚えているもの。そしてそんな関係を生み出そうと考えると、いきなりたくさんの人と繋がることなどできないはずです。

昔の僕がそうだったから、すごくよくわかります。

人間関係ほど長く時間をかけてゆっくりと育んで下さいね^^

すると、火を起こした「備長炭」のようにじっくり何時間も素晴らしい火を生み出すことができるはずです。

 

 

僕は人間関係を以前より尊重するようになりました。

それは言い方を変えれば冷たくなったかもしれません。

だから逆に、大切にしたいわけです。

その場しのぎに友達にはなれないようなマインドになりました。

 

 

きちんと

ご縁を感じて、

生き方を感じて、

背中を感じて、

在り方を感じて、

それから笑顔で挨拶をしていけばいいじゃないかと僕は思うわけです、

 

ある意味、面倒臭い考え方かもしれませんが、やはり「目の前の人」だけをこれからも僕は大事にしていきたいと感じています。

そして、同じような考え方の人と繋がるようにまたこの世界はなっているわけです。

 

 

人間関係は備長炭のように丁寧に優しく創りあげる

人間関係は時間をかけてゆっくり創り上げていくもの。

それはかつて人間関係を甘く考えて「うまくいかない流れ」を自分から創り出していた僕だからこそ、話せる内容かもしれません。

 

ぜひ、ご参考にしてください^^